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目の主な病気について

ドライアイ

コンピューター作業とドライアイ(かわき眼)、つかれ眼の奥にかくれていませんか?長時間コンピューター画面を見つめていたり、本や画面を長く見ていて、 なんだか眼が疲れたりゴロゴロした経験はありませんか?こうしたつかれ眼の中にはドライアイ(かわき眼)がかくれていることがあります。私たちは無意識の うちにまばたきをして黒目の表面の角膜を涙でうるおしています。これは涙腺というタンクから涙が放出され、まばたきによって涙を角膜全体に押し広げて、角 膜が汚れたり乾いたりしないようにしています。角膜を車のフロントガラスにたとえると涙がウォッシャー液の役割を、まぶたによるまばたきがワイパーの役割 を果たしているといえます。
 ところが長時間コンピューター画面を見つめていたり、本やテレビを長く見ているとまばたきの回数が減って角膜の表面 が乾燥することが分かってきました。このため涙の分泌量が正常の人でもつかれ眼やかわき眼などの症状が出ることがあります。もともとドライアイ(かわき 眼)のある人ではこれらの症状は深刻になり、つかれ眼、かわき眼にくわえて眼の重い感じ、眼の周りの違和感、角膜に傷がつくと痛みやまぶしさ、充血がおこります。全身的には肩こり、頭痛、腕の痛み、手先のしびれ、さらには不眠症になることもあります。つかれ眼は角膜の表面が乾燥によって形状が変わって見に くくなるために起こると考えられています。
 ドライアイは全国で約800万人の患者さんがいると推定されており、涙の分泌量が減少している涙液減 少型と、涙が乾きやすい蒸発亢進型に分類されます。最近コンピューターや携帯電話の普及で増加しているドライアイは蒸発亢進型に含まれます。一日に約5時 間コンピューター作業をしている人の3人に1人はドライアイであるという報告があります。またコンタクトレンズを装用することは角膜の表面を覆っている涙 の膜の状態を変化させてドライアイを悪化させますし、冷暖房などの空調かけることも環境の乾燥化につながります。冷暖房の効いたオフィスなどでコンタクト レンズをつけて一日に5時間以上コンピューター画面を見ている方はドライアイになる危険性が非常に高いといえます。中高年の女性に多く見られるドライアイ はマイボーム腺という涙に油分を与えて蒸発を防ぐ腺の開口部分がつまってしまっている場合がよくあります(マイボーム腺梗塞)マイボーム腺がつまると麦粒 腫という俗に「ものもらい」などと呼ばれている状態になることもあります。ものもらいが出来やすい方の中にはドライアイが隠れている可能性があります。女 性のほうが涙液の安定性に欠けているといわれておりドライアイの患者さんも女性に多くみられます。

ドライアイの予防方法は・・・
① 人工涙液(人工的に作られた涙と同じような成分のめぐすり、防腐剤の含まれていないものが望ましい)を30分~1時間ごとに点眼します。

②まぶたを暖かいオシボリで不潔にならないように気をつけながら一日約10分暖める。暖めることによって涙に油分を与えて蒸発を防ぐマイボーム腺の働きを活発にします。

③ コンピューター画面を視線より出来るだけ低い位置に置く。低いほうが露出している角膜の広さを少なくして乾燥を防ぐことができます。意識的にまばたきの回数を増やすことも効果があります。

④ コンピューターの作業時間(30分継続してコンピューター作業をした後には約5分間は眼を休ませることが望ましい)空調の設定などにおいて職場の理解が得られればドライアイを防げる可能性があります。これは職場にとって仕事の能率アップにもつながると考えます。

⑤  そのほかにもコンピューター作業中には出来るだけコンタクトレンズは控えてメガネを使用する(ゴーグルタイプのドライアイ防止眼鏡も販売されています)涙 が鼻の奥に流れ込む穴(涙点)に人工のプラグを入れて角膜にとどまる涙の量を増やす方法などもあります。これらドライアイの症状の中で思い当たる点がある 方は一度眼科専門医での涙液分泌機能などの検査をおすすめします。つらい症状があれば我慢せずに早めに治療しましょう。

(この記事は尾張エリア生活文化情報誌「Oha Two!(おはツゥ!)」2003年11月号に掲載されたものです)
 

飛蚊症

青空や白い壁などを見て、虫や糸くずのような浮遊物が飛んでるように見えたことはありませんか?実際に何かが 飛んでいるわけではなく、まばたきや眼・メガネをこすっても消えません。このような症状は浮遊物の様子が、蚊が飛んでいるように感じられることから「飛蚊 症(ひぶんしょう)」と呼ばれています。見える浮遊物には他にゴマ状、プランクトン状、糸くず状などと表現されるものがあります。
 飛蚊症につい ては、先ず眼球の構造を説明する必要があります。ヒトが見ている景色は光として眼の中の透明な組織を通過してカメラのフィルムに相当する網膜に到達しま す。眼球の大部分は硝子体(ゼリー状の透明なコラーゲン繊維)がつまっており、この硝子体に何らかの理由で「にごり」が生じることが「飛蚊症」の原因で す。「にごり」が生じると、明るいところを見た時ににごりの影が網膜に映ります。体や眼球の動きにともなって硝子体とにごりが揺れ動き、あたかも虫や糸く ずなどの浮遊物が飛んでいるように見えるのです。「にごり」には放置していいものと治療が必要な病的なものに分類されます。
 先ずは飛蚊症の中の 9割以上をしめる放置してよいタイプについてお話しします。飛蚊症をいつから感じているかが診断の大切なポイントです。ヒトは母親の体内にいるときは硝子 体に血管が通っており、眼球の完成とともにこの血管は消失してゆきます。しかし生まれた後にも血管のなごりが硝子体中のにごりとして残存し、飛蚊症として 感じる場合があります。このような飛蚊症は幼少期から自覚でき、症状が進行しない限りは放置してよいタイプです。
 また人間は年をとると硝子体が ゼリー状から液状に変化して収縮し網膜(眼底)と付着している部分が剥がれます(硝子体剥離)。剥がれた後は付着していた「のりしろ」の部分がにごりとし て硝子体中に浮遊するために飛蚊症がおこります。このタイプの飛蚊症が実際の眼科外来では最も多いのです。患者さんには「髪の毛が白くなったり、しわが増 えたりと同じ変化で、心配はありません。残念ながら薬などで完全に取り去ることは難しいです」と説明しています。若い方でも強い近視があると硝子体剥離が 起こりやすく飛蚊症がおこることがあります。
 次に治療が必要な病的な飛蚊症について説明します。硝子体剥離の中には硝子体が眼底から剥がれると きに網膜に穴を開け(網膜裂孔)網膜剥離という病気を引き起こすことがあります。網膜に開いた穴から硝子体中の液体が網膜の裏側へもぐりこんで網膜が剥が れ、剥離が中心部まで及ぶと視力が低下し失明する場合もあります。剥離が進行しないうちに異常が見つかればレーザー光線で裂孔の周りを焼き固めたり、手術 をしたりして進行を防止できます。大切な点はレーザー治療も手術も進行予防の処置であって、基本的に視力回復や飛蚊症の軽減にはつながりません。失明予防 のための大切な処置であるということです。
 糖尿病や高血圧、外傷などによって眼底の出血が硝子体に流れ込む「硝子体出血」も飛蚊症の原因の一つ です。これも失明にいたる可能性があり、状態によりレーザー治療や硝子体手術などの手術が必要になります。その他に虹彩炎(ぶどう網炎)と呼ばれるウィルス感染やアレルギーに関連した眼の中の炎症でも飛蚊症をきたす場合があります。これは眼底の血管から硝子体中へ白血球や炎症の滲出物が入り込んでにごりを 生じるために起こるものです。虹彩炎は消炎剤の点眼や内服で治療します。
 いずれにせよ飛蚊症を自覚した場合は自分で判断せずに一度は眼科医の診察とアドバイスを受けましょう。
 眼科を受診して「心配ない」といわれた方も半年から一年毎の定期検査をお勧めします。特に浮遊物の数が増えたり視力や視野に変化を感じた場合には早めに受診してください。

(この記事は尾張エリア生活文化情報誌「Oha Two!(おはツゥ!)」2003年12月号に掲載されたものです)

 

緑内障

40歳以上の日本人の17人に一人が緑内障といわれています。どんな病気なのか知って早期に治療をはじめましょう。

松岡金太郎 さん(仮名、36歳)はとても元気のよいサラリーマン。これまでに大きな病気をしたことはなく健康には自信がありました。しかし今年の健康診断で眼底検査 の項目に「視神経乳頭陥凹、緑内障の疑い」と指摘され眼科専門医での精密検査をすすめられました。松岡さんはこのところほとんど病院と名のつくところへお 世話になったことがなく、恐る恐る眼科を受診しました。眼科では視力、眼圧、そしてものが見える範囲を調べる「視野検査」と眼底検査が行われました。眼科 医の診察の結果は「緑内障によく似た眼底ではあるが今のところ緑内障と診断はできない」という結論でした。半年から一年おきの眼圧検査と視野検査をすすめ られて帰宅しました。
緑内障とはどんな病気なのでしょうか。緑内障は白内障の「しろそこひ」に対して「あおそこひ」と呼ばれています。紀元前 4~5世紀にギリシャ医学の祖ヒポクラテスが「目が地中海の色のように青くなり、やがて失明する」と述べたことが「あおそこひ」「緑内障」の名前の由来で す。しかしこれは白人の場合で、日本人などの黄色人種ではこの表現は当てはまりません。
なぜ緑内障が視力に障害を及ぼすのでしょうか?そのメカニ ズムについて説明します。緑内障は目の中を循環している『房水』という水の圧(眼圧)と深く関係します。眼球の中では血液の代わりに房水という透明の液体 が循環していて、細胞に酸素や栄養素をあたえたり、老廃物を運び去ったりしています。眼球の中では外界の景色を光として通過させなければならないため、赤 く混濁した血液が循環していては都合が悪く、透明な房水が循環しているのです。房水は毛様体というところから眼球内に流れ込み、最後は隅角というところか ら眼球の外に流れ出します。房水の流れ込む量と流れ出す量の割合が一定していれば眼圧は安定していますが、このバランスが崩れて眼圧が高くなり、ものを見 る神経細胞を圧迫すると、神経細胞が障害されて視野や視力に悪い影響を及ぼすことになるのです。眼底検査で視神経乳頭が陥凹して見えることも神経細胞の障 害と関連しており、緑内障の特徴のひとつです。通常ヒトの眼圧は10~20mmHgという数値の範囲内と考えられています。しかし眼圧が21mmHg以上 の状態が続くと視野や視力の低下が始まります。
緑内障が厄介な点は、病状が進行して治療が困難にならないと症状が出ないことです。つまり見にくく なってから眼科へ受診しては治療が難しい場合があるということです。一昨年の多治見市における大規模な緑内障の調査では40歳以上の人の17人に一人が緑 内障というデータが出て、しかもこのうちの80%の人は自分が緑内障だと気づかず、治療も受けていないという結果になりました。緑内障を予防するためには 健康診断を定期的に受けて、松岡さんのように「緑内障の疑い」と診断された場合は定期的に眼科で検査を受けましょう。また緑内障は遺伝的な要素の関連があるといわれており、親類に緑内障を治療している人のいる方は注意することが大切です。

ここで自宅でも簡単にできる緑内障の早期発見方法についてお教えします。
①  テレビを何も受信されていない画面(ノイズ画面)にします。
② 後ではがせるシール(1cm四方程度)を画面中央に目印として貼る。
③ 21型テレビならば30cm程度画面から離して片目ずつシールを見つめる。
④ 画面に雲がかかったように見えたり、部分的にチラチラが見えなかったりした場合は緑内障による視野障害の可能性があります。一度眼科で精密検査を受けましょう。

これまでにお話してきた緑内障は開放隅角緑内障といわれる比較的ゆっくりと進行するタイプで、緑内障の約8割を占めるものですが、緑内障の中には急激な症状 で発症する場合もあります。閉塞隅角緑内障というタイプで房水が流れ出す「隅角」という排水溝が突然につまって眼圧が極度に上昇する「急性緑内障発作」と 呼ばれる恐ろしい病気です。頭痛、吐き気、嘔吐を起こして救急車で病院へ運び込まれることもあります。眼圧はしばしば50~60mmHg以上にまで上昇 し、緊急でレーザー治療や手術をしなければ視力に障害を残す恐れがあります。遠視の強い人が暗いところでうつむいて本を読んでいると発作が誘発されること があります。危険因子のある人はあらかじめレーザー光線で虹彩に穴をあけて、房水の流れを良くしておく予防策が有効です。このほかにも外傷やその他の目の 病気、ステロイド剤などの薬剤によって二次的に眼圧が高くなる続発性緑内障などがあります。
もしも緑内障と診断されたら、生涯上手に付き合ってい かなければなりません。しかし緑内障の多くは定期的に眼科を受診して眼圧、視野、視力などを検査し、適切な目薬を使用することで失明を防ぐことができま す。生涯定期的に通院することは根気のいることですが確実に緑内障の進行を予防しましょう。