2025年2月に亡くなられた作家・曽野綾子さんをしのび、豊明校地の記念碑を訪ねました。
この碑は、1981年(昭和56年)に藤田学園名古屋保健衛生大学病院(現藤田医科大学病院)の眼科で超音波白内障手術を受け、視力を回復された曽野さんが感謝の思いを込めて寄贈したものです。
執刀医は、日本で初めてこの術式を導入した眼科学教室の初代教授 馬嶋慶直先生。
当時、白内障は失明を伴う深刻な眼疾病とされていましたが、同術式は比較的簡便なことから普及が進み、現在では日本の白内障手術のほぼすべてに採用されています。
視力を取り戻した曽野さんは、その喜びを書籍「贈られた眼の記録」として出版し、多くの患者さんが当院を受診するきっかけとなりました。
本学の医学部生として馬嶋先生の下で学んだ私は、この碑の前に立つと、本学の眼科学教室医局員として、馬嶋先生らと共に臨床、研究に邁進した日々の思い出が蘇り、背筋が伸びる思いがします。
大学 眼科学 客員教員 山﨑 俊医師 (医学部第14回生)