藤田医科大学 医学部客員講師
2021.06.04更新
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2020.01.29更新
2019.12.5 中日新聞に掲載されたものです。
Q.たまに白目の内側または外側のみが真っ赤に充血していてびっくりします。一晩経てば治るのですが、出血しているような赤で怖いです。何か病気なのでしょうか?
A.おそらく「結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)」と呼ばれる状態であると考えられます。白目の部分が真っ赤な血の色に染まっているため、初めて見ると驚くかもしれません。結論から言えば、基本的に心配する状態ではありません。青あざと呼ばれる皮下出血と同じ病態ですが、結膜組織が透明であるため白目が真っ赤になります。心配して眼科を受診される患者さんが多くみられます。
原因は、外傷・高血圧・糖尿病・一部の結膜炎などがありますが、原因がはっきりとしない場合も少なくありません。数日で軽快することがほとんどですが、心臓病などで血液をサラサラにする薬を飲まれている人は、消えるまでに時間がかかる傾向があります。もし、痛み・視力低下・ひどい目やになども同時にあるケースでは、他の病気を疑う必要があるため眼科に受診してください。
10年間、掲載された教えてドクター!Q&Aは今回で最終回になります。今まで新聞・ホームページをご覧頂きありがとうございました。
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2019.11.21更新
中日新聞に掲載されたものです。
Q.50歳の男性です。最近、暗い部屋に入った時や、運転中にトンネルに入った時に見にくくて危ないと思ったことがあります。「とりめ」でしょうか?
A.「とりめ」と呼ばれる夜盲症は、暗い場所で視力が著しく低下し、見えなくなる病気の総称です。夜盲症は、先天性(生まれつき)と後天性(成長段階、もしくは大人になってから発症するもの)に分類されます。
先天性には網膜色素変性症などが、後天性にはビタミンA欠乏などがあります。網膜色素変性症は遺伝することがあり、内服薬やサングラスで進行を予防します。徐々に進行するタイプが多く、有効な治療法がないため、厚労省から難病に指定されています。
ビタミンA欠乏は現在の日本ではほとんど見られなくなりましたが、偏食や腸の病気などで起こることもあり、ビタミンAを補って治療します。
質問者は最近、暗い場所で多少見にくくなった様子なので、白内障の初期などによる症状とも考えられます。まずは眼科専門医を受診してください。場合によっては大きな病気での詳しい検査や治療が必要になるかもしれません。
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2019.11.14更新
2019.10.17付の中日新聞に掲載されたものです。
Q.最近ものが見にくくなったので、眼科に行ったら、遠視・老眼と診断されました。治るのでしょうか?
A.年齢とともに、近くの文字などが見にくくなる現象を老視(老眼)と呼びます。
これは眼球の中でレンズの役割をしている水晶体が、加齢と共に硬くなり、自動的にピントを合わせる機能が低下するために起こります。
40代半ばから老眼を感じはじめ、50歳前後から老眼鏡を使用する人が多い印象です。硬くなった水晶体を再び柔らかくすることは困難で、サプリメントなどによる老眼改善の大きな効果は期待できません。近くと遠くを交互に見つめて、ピント合わせに関係する毛様体筋の機能を維持するストレッチ運動も、老眼を遅らせることが出来るかもしれませんが限界があります。
軽い近視があると老眼で不便になる年齢が遅れる傾向はあります。適切なメガネを作って生活で不自由が出ないように対応することが、現実的であると考えます。メガネをかけても見にくい場合は、白内障などの眼科疾患が隠れている可能性があるので、眼科での相談をおすすめします。
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2019.07.08更新
2019.6.17 中日新聞掲載の記事です。
Q.母も祖父も緑内障です。緑内障は遺伝するのでしょうか?
また予防法はありますか?私はまだ症状はありませんが不安です。
A.緑内障は、目の中を流れている「房水」という液体の圧「眼圧」が上昇して、画像を目から脳へ送る視神経に障害を及ぼす病気です。
進行すると視野・視力が低下します。日本では毎年2~3千人が失明する失明原因第1位の重要な疾患です。
現在、緑内障の一部は遺伝することが分かってきていますが、どのタイプが遺伝するかなどの詳細は不明で、今後の研究成果が期待されます。
緑内障は他にも、加齢・近視・喫煙などの要因が加わって起こると言われています。定期的に眼底・眼圧・視野などの検査を受けて早期発見に努めることが大切です。
緑内障の問題点は初期には症状がないことです。早期に発見されても、見にくさなどの不自由がないために治療をせず放置して、失明してしまうケースがみられます。
治療はまずは点眼薬が基本です。信仰すると手術を行う場合もあります。もしも緑内障と診断されたら放置せず根気よく付き合っていくことが大切です。
当院では、緑内障検査の代表的な視野検査を年間1500件以上施行しています。より詳細な視野検査は専門の視能訓練士が予約制で行っています。
最近では、CT画像解析による緑内障の診断も行っています。緑内障は身近な病気になってきています。年齢を問わず、近視の強い方、ご家族に緑内障の方がいる、最近視野が狭くなった気がする、健康診断で指摘されたという方は、必ず一度は眼科を受診して、緑内障検査を受けましょう。
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2019.04.19更新
中日新聞(2019.4.17付)に掲載された院長の記事になります。
今回のテーマは「目やに」です。
Q.朝起きた時に、よく目やにがついているのですが、
最近いつもより量が多く、黄色くドロッとしたような感じです。
病院を受診したほうがいいでしょうか?
A.通常の「目やに」は目の正常な分泌物や老廃物からできており、
マブタの隅についている程度なら問題はありません。
朝起きた時に目やにが多いと感じるのは、寝ている時には涙が鼻の奥へ流れにくくなるため、
代謝物がまぶたに貯まってしまうことが理由です。
しかし、目やにの量が色が普段と異なっている場合には結膜炎になっている可能性があります。
目やにでまぶたが開かなかったり、黄色や緑色の目やにが出ていたりしたら眼科へ受診することをおすすめします。
細菌やウィルスに感染していたり、花粉症などのアレルギー性結膜炎の可能性が考えられます。
特に「はやり目」と呼ばれる「流行性角結膜炎」は職場や学校で他者に伝染させてしまう可能性があるため、
眼科専門医による確実な診断と的確な治療、生活指導が重要です。
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2018.12.04更新
当院、院長が所属する、日本眼科国際協力会議の
服部匡志(ただし)先生が行っているベトナム眼科支援活動が
NHKでドラマ化されます。ぜひご覧ください。
土曜日ドラマスペシャル
「ベトナムのひかり~ボクが無償医療を始めた理由」
2019年1月12日(土) 総合 21:00~22:13
詳しくはNHKサイトをご覧ください
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